日本でもお馴染みの永久欠番。
メジャーリーグでも、各球団がその球団で特に偉大な成績や功績を残した選手や監督に対して、背番号を永久欠番とする文化があります。
永久欠番に指定された番号は、以後その球団では誰も着用することができません。
この記事では、各球団で永久欠番に選ばれた主な選手たちの生涯通算成績をご紹介します。
※メジャーリーグの各球団での主な永久欠番です(全てを網羅していませんが、代表的な選手を紹介します)
アメリカンリーグ

ニューヨーク・ヤンキース

- #3 ベーブ・ルース(外野手)
- #4 ルー・ゲーリッグ(一塁手)
- #5 ジョー・ディマジオ(外野手)
- #7 ミッキー・マントル(外野手)
- #8 ヨギ・ベラ(捕手)、ビル・ディッキー(捕手)
ベーブ・ルース (Babe Ruth) – ニューヨーク・ヤンキース
- 背番号: #3
- ポジション: 外野手
- 打撃成績:
- 打率: .342
- 本塁打: 714
- 打点: 2,214
- OPS: 1.164(歴代1位)
- 通算出場試合数: 2,503試合
- 主な功績: ワールドシリーズ優勝7回、MVP1回、オールスター2回
ベーブ・ルースは、野球史上最も有名な選手の一人です。その驚異的なパワーと成績は、現代でも伝説的な存在です。
ルー・ゲーリッグ (Lou Gehrig) – ニューヨーク・ヤンキース
- 背番号: #4
- ポジション: 一塁手
- 打撃成績:
- 打率: .340
- 本塁打: 493
- 打点: 1,995
- OPS: 1.080
- 通算出場試合数: 2,164試合
- 主な功績: ワールドシリーズ優勝6回、MVP2回、連続試合出場記録(2,130試合、カル・リプケンが後に更新)
ルー・ゲーリッグはALS(筋萎縮性側索硬化症)により早期に引退しましたが、その粘り強いプレーと成績は永遠に記憶されています。
ボストン・レッドソックス

- #1 ボビー・ドーア(二塁手)
- #4 ジョー・クローニン(遊撃手)
- #9 テッド・ウィリアムズ(外野手)
- #27 カールトン・フィスク(捕手)
- #34 デビッド・オルティーズ(指名打者)
テッド・ウィリアムズ (Ted Williams) – ボストン・レッドソックス
- 背番号: #9
- ポジション: 外野手
- 打撃成績:
- 打率: .344
- 本塁打: 521
- 打点: 1,839
- OPS: 1.116
- 通算出場試合数: 2,292試合
- 主な功績: MVP2回、オールスター19回、三冠王2回
「最後の打率4割打者」として知られるテッド・ウィリアムズは、ボストン・レッドソックスの顔ともいえる存在です。
デビッド・オルティーズ (David Ortiz) – ボストン・レッドソックス
- 背番号: #34
- ポジション: 指名打者
- 打撃成績:
- 打率: .286
- 本塁打: 541
- 打点: 1,768
- OPS: .931
- 通算出場試合数: 2,408試合
- 主な功績: ワールドシリーズ優勝3回、オールスター10回
カールトン・フィスク (Carlton Fisk) – ボストン・レッドソックス/シカゴ・ホワイトソックス
- 背番号: #27(レッドソックス)、#72(ホワイトソックス)
- ポジション: 捕手
- 打撃成績:
- 打率: .269
- 本塁打: 376
- 打点: 1,330
- OPS: .798
- 通算出場試合数: 2,499試合
- 主な功績: オールスター11回
デトロイト・タイガース

- #2 チャーリー・ゲーリンジャー(二塁手)
- #5 ハンク・グリーンバーグ(一塁手)
- #6 アル・ケーライン(外野手)
- #16 ハル・ニューハウザー(投手)
シカゴ・ホワイトソックス

- #2 ネルソン・フォックス(二塁手)
- #3 ハロルド・ベインズ(外野手)
- #9 ミニー・ミノーソ(外野手)
- #14 ポール・コネルコ(一塁手)
- #56 マーク・バーリー(投手)
オークランド・アスレチックス

- #9 レジー・ジャクソン(外野手)
- #24 リッキー・ヘンダーソン(外野手)
- #27 キャットフィッシュ・ハンター(投手)
シアトル・マリナーズ

- #11 エドガー・マルティネス(指名打者・内野手)
- #24 ケン・グリフィーJr.(外野手・指名打者)
- #51 イチロー(外野手)※2025年
エドガー・マルティネス(Edgar Martínez) – シアトル・マリナーズ
- 背番号: #11
- ポジション: 指名打者・三塁手
- 打撃成績:
- 打率: .312
- 本塁打: 309
- 打点: 1,261
- OPS: .933
- 通算出場試合数: 2,055試合
- 主な功績: オールスター7回、マリナーズ一筋
ケン・グリフィーJr.(George Kenneth Griffey Jr.) – シアトル・マリナーズ
- 背番号: #24
- ポジション: 外野手・指名打者
- 打撃成績:
- 打率: .284
- 本塁打: 630
- 打点: 1,836
- OPS: .907
- 通算出場試合数: 2,671試合
- 主な功績: MVP1回、オールスター13回(HRダービー優勝3回)
イチロー(鈴木 一朗) – シアトル・マリナーズ
- 背番号: #51
- ポジション: 外野手
- 打撃成績:
- 打率: .311
- 本塁打: 117
- 打点: 1,836
- 安打: 3089
- OPS: .757
- 通算出場試合数: 2,653試合
- 主な功績: MVP1回、オールスター10回(ランニング本塁打(2007年)※史上初)
ナショナルリーグ

ロサンゼルス・ドジャース

- #1 ピー・ウィー・リース(遊撃手)
- #2 トミー・ラソーダ(監督)
- #4 デューク・スナイダー(外野手)
- #20 ドン・サットン(投手)
ジャッキー・ロビンソン (Jackie Robinson) – ロサンゼルス・ドジャース
- 背番号: #42
- ポジション: 内野手(二塁手、三塁手)
- 打撃成績:
- 打率: .311
- 本塁打: 137
- 打点: 734
- 盗塁: 197
- OPS: .883
- 通算出場試合数: 1,382試合
- 主な功績: MVP1回、オールスター6回、ワールドシリーズ優勝1回
ジャッキー・ロビンソンは、アフリカ系アメリカ人として初めてMLBに出場し、野球だけでなくアメリカ全体における人種平等の象徴として歴史に名を刻んでいます。
サンフランシスコ・ジャイアンツ

- #3 ビル・テリー(一塁手)
- #4 メル・オット(外野手)
- #24 ウィリー・メイズ(外野手)
- #27 フアン・マリシャル(投手)
ウィリー・メイズ (Willie Mays) – サンフランシスコ・ジャイアンツ
- 背番号: #24
- ポジション: 外野手
- 打撃成績:
- 打率: .302
- 本塁打: 660
- 打点: 1,903
- 盗塁: 338
- OPS: .941
- 通算出場試合数: 2,992試合
- 主な功績: MVP2回、オールスター24回、ゴールドグラブ賞12回
「センターの守備の神様」として知られるウィリー・メイズは、攻守にわたって卓越した選手でした。
シカゴ・カブス

- #10 ロン・サント(三塁手)
- #14 アーニー・バンクス(遊撃手/一塁手)
- #23 ライアン・サンドバーグ(二塁手)
- #31 ファーガソン・ジェンキンス(投手)
セントルイス・カージナルス

- #1 オジー・スミス(遊撃手)
- #6 スタン・ミュージアル(外野手/一塁手)
- #20 ルー・ブロック(外野手)
- #45 ボブ・ギブソン(投手)
スタン・ミュージアル (Stan Musial) – セントルイス・カージナルス
- 背番号: #6
- ポジション: 外野手、一塁手
- 打撃成績:
- 打率: .331
- 本塁打: 475
- 打点: 1,951
- OPS: .976
- 通算出場試合数: 3,026試合
- 主な功績: MVP3回、オールスター24回、ワールドシリーズ優勝3回
アトランタ・ブレーブス

- #3 デイル・マーフィー(外野手)
- #6 ボビー・コックス(監督)
- #29 ジョン・スマルツ(投手)
- #31 グレッグ・マダックス(投手)
- #44 ハンク・アーロン(外野手)
ハンク・アーロン (Hank Aaron) – アトランタ・ブレーブス
- 背番号: #44
- ポジション: 外野手
- 打撃成績:
- 打率: .305
- 本塁打: 755
- 打点: 2,297
- OPS: .928
- 通算出場試合数: 3,298試合
- 主な功績: MVP1回、オールスター25回、ワールドシリーズ優勝1回
ハンク・アーロンは、ベーブ・ルースの本塁打記録を破った選手であり、長年にわたってMLBの本塁打王として君臨しました。
グレッグ・マダックス (Greg Maddux) – アトランタ・ブレーブス
- 背番号: #31
- ポジション: 投手
- 投手成績:
- 勝利数: 355
- 防御率: 3.16
- 奪三振: 3,371
- 通算出場試合数: 744試合
- 主な功績: サイ・ヤング賞4回、オールスター8回、ワールドシリーズ優勝1回
全MLB共通の永久欠番
#42 ジャッキー・ロビンソン (Jack Roosevelt Robinson)
- 背番号: #42
- ポジション: 内野手
- 打撃成績:
- 打率: .311
- 本塁打: 137
- 打点: 734
- 安打: 1518
- OPS: .883
- 通算出場試合数: 1,382試合
- 主な功績: MVP1回、オールスター6回、ワールドシリーズ優勝1回
メジャーリーグで初めて黒人選手としてプレーしたロビンソンの功績を称えて、
全ての球団で背番号42は永久欠番となっています。
※1997年全球団共通の永久欠番となる
※2004年、初出場の日である4月15日を「ジャッキー・ロビンソン・デー」に制定
初出場の日である4月15日を「ジャッキー・ロビンソン・デー」に制定
よくある質問(FAQ)
- 永久欠番の具体的な選定基準
-
メジャーリーグで選手や監督が永久欠番に選ばれる際、具体的な基準は何ですか?
記事では「特に偉大な成績や功績」と述べていますが、通常、殿堂入りレベルの実績や、球団史に名を残す貢献度、リーグ全体への影響などが考慮されます。例えば、ジャッキー・ロビンソン選手のように野球界全体への社会的な影響も重要な要素です。これは単に成績だけではなく、その人物が残したレガシーが評価される証です。
- 永久欠番制度の歴史
-
メジャーリーグにおいて永久欠番制度はいつ頃から始まり、どのように普及していったのですか?
永久欠番制度の始まりは、ベーブ・ルース選手がニューヨーク・ヤンキースで1948年に最初の永久欠番となったのが一般的です。彼の功績を称えるため球団が特別な敬意を表したのがきっかけとされています。その後、各球団が偉大な選手たちの功績を称える慣習として広がり、リーグ全体での敬意の表し方として定着しました。
- 同じ背番号が複数の選手の永久欠番になる例
-
ヤンキースの#8のように、同じ背番号が複数の選手の永久欠番となることは珍しいことなのでしょうか?
ヤンキースの#8はヨギ・ベラ選手とビル・ディッキー選手という二人の捕手が共に着用し、功績を残したため、二人分の永久欠番となっています。これは極めて稀なケースです。通常、一つの背番号は一人の偉大な選手に対してのみ永久欠番とされます。ヤンキースが持つ歴史の重みと、その中で二人の捕手が共に果たした影響力が背景にあります。
- 永久欠番指定後の選手の去就
-
永久欠番に指定された選手は、通常どのようなタイミングで、どのような形で栄誉を称えられるのでしょうか?
永久欠番は選手が引退し、一定の期間を経て、その功績が再評価された上で決定されることが多いです。球団は盛大なセレモニーを開催し、多くのファンが見守る中で、その選手の功績を称えます。多くの場合、本拠地の球場にその選手の背番号や功績を刻んだプレートが掲げられるなど、物理的な形で永久にその栄誉が記憶されます。
まとめ
この記事では、メジャーリーグの各球団が、歴史に名を刻んだ選手たちの背番号を永久欠番に指定し、その功績を称えていることを詳しく解説しました。
- 永久欠番は、各球団で偉大な成績や功績を残した選手や監督を称える文化です
- ヤンキースのベーブ・ルースやマリナーズのイチロー、ドジャースのジャッキー・ロビンソンなど、多くのレジェンドたちの驚異的な生涯通算成績が紹介されています
- ジャッキー・ロビンソンの背番号「42」は、彼が成し遂げた歴史的な功績を称え、メジャーリーグ全体で唯一の共通永久欠番として位置づけられています
- 永久欠番は、選手個人の偉業だけでなく、そのチーム、ひいては野球全体に与えた影響を象徴しています
メジャーリーグ各球団の永久欠番選手は、打撃成績、守備成績、投手成績において傑出した記録を残し、その背番号は未来の選手たちに二度と使用されることがない特別なものです。その功績が永遠に称えられることとなります。
ベーブ・ルース、ジャッキー・ロビンソン、ハンク・アーロンなど、歴史に名を刻む選手たちの生涯成績は、彼らの偉大さを証明しており、メジャーリーグの歴史において重要な役割を果たしました。
永久欠番は選手たちの偉業を称えるだけでなく、そのチームや野球全体に与えた影響をも象徴しています。
今回ご紹介した選手たちの軌跡を追い、メジャーリーグの歴史をさらに深く探求するきっかけとしてください。