メジャーリーグで注目を集めるトルピードバット、通称「魚雷バット」をご存じでしょうか。
その独特な形状から性能、ルール上の扱いまで、多くの野球ファンが関心を寄せています。
この記事を読めば、最新バットの知識が深まり、メジャーリーグ観戦がさらに面白くなるはずです。



最近よく聞くトルピードバットって、結局どんなバットなんだろう



話題のバットの正体から、気になる規定や使っている選手まで、分かりやすく解説します
この記事でわかること
- トルピードバット(魚雷バット)の形状・性能・特徴
- 従来のバットとの違いとMLBのルール・規定
- トルピードバットを使用する主な選手と評価
- このバットを知ることで深まるメジャーリーグ観戦の視点
見出し | 内容 |
---|---|
メジャーリーグで話題のトルピードバット(魚雷バット)とは | ・ボールを打つ部分が極端に太く、重心が手元に近い独特な形状の木製バット ・潜水艦から発射される魚雷に似た見た目から名付けられた愛称 ・科学的なデータ分析を基に開発、素材は従来の木製バットと同じでMLBルールに適合 |
なぜ注目?トルピードバットの性能と特徴を深掘り | ・重心が手元にあり軽く感じ、バット操作がしやすいとされる点が利点 ・スイング速度向上などの効果は期待されるが、選手や状況により評価が分かれる状態 ・芯(スイートスポット)が広く感じられ、安心感を得やすいとの声 ・慣れが必要、効果の不確かさなど注意点もあり万能ではない |
メジャーリーグ(MLB)のルールとトルピードバットの規定 | ・素材(木製一体型)、太さ(約6.6cm以下)、長さ(約106.7cm以下)といったMLB公式ルール基準を満たす公認バット ・コルクを詰めるなどの不正な改造ではなく、ルール内で認められた設計上の工夫 ・過去のコルクバットなどのルール違反とは異なり、使用しても罰則の対象外 |
トルピードバットを使用する選手と実際の効果 | ・ヤンキースのボルピー選手やカブスのベリンジャー選手などが代表的な使用者 ・現時点で、大谷翔平選手をはじめ日本人選手の使用は確認されていない ・振りやすさなどの利点を感じる選手がいる一方、従来型を好む選手も存在 ・状況に応じて使い分ける例もあり、全ての選手に合うわけではない |
トルピードバットを知ってメジャーリーグ観戦をもっと楽しむ | ・試合中継で、グリップ近くで急に太くなるバットの形に注目すると発見可能 ・選手がどのバットを選ぶかを知ることで、選手の考え方や試合展開への新たな視点 ・データ分析から生まれた背景は、今後の野球用具の進化トレンドを知るヒント ・日本プロ野球への波及は未確認だが、今後の動向に注目 |
メジャーリーグで話題のトルピードバット(魚雷バット)とは


メジャーリーグ(MLB)で注目を集めているトルピードバット、通称魚雷バットは、これまでの常識を覆すユニークな形状を持つ木製バットです。
ボールを打つ部分(バレル)が極端に太く、重心が手元に近い設計が最大の特徴として挙げられます。
MLBの公式ルールには適合しており、不正な道具ではありませんが、その効果については選手間でも様々な意見があります。
独特な形状の由来 「魚雷(トルピード)」と呼ばれる理由
このバットが「トルピード(魚雷)」と呼ばれる主な理由は、その見た目にあります。
バットの最も太い部分であるバレルがグリップ(握る部分)に近く、先端にかけて急激に細くなる独特の形状が、まるで潜水艦から発射される魚雷を連想させることから、この名前が付けられました。
従来のバットとは一線を画す、視覚的にもインパクトのあるデザインです。



トルピードってどういう意味なんだろう



その名の通り、見た目が潜水艦から発射される魚雷に似ていることから名付けられました
この愛称は、バットの特異な形状を的確に表しています。
従来の木製バットとは異なる形状の特徴
トルピードバットと従来の木製バットの最も顕著な違いは、バット全体の形状と重心の位置にあります。
従来のバットは、グリップから先端のバレル部分にかけて徐々に太くなっていくのが一般的ですが、トルピードバットはバレル部分が極端に太く、かつその最も太い部分がより手元に近い位置に設計されています。



普通のバットとどう違うの?



一番の違いは、重心の位置とバレル(打球部)の太さです
この形状の違いが、スイング感覚や打球にどのような影響を与えるのか、多くの選手が試しています。
比較項目 | トルピードバット (魚雷バット) | 従来の木製バット |
---|---|---|
バレル(打球部) | 極端に太く、手元に近い | グリップから徐々に太くなる |
重心位置 | 手元寄り | バットの中間~やや先端寄り |
全体の形状 | 手元側が太く、先端が細い | 先端側が太い |
見た目の印象 | 魚雷のよう、特異 | 一般的、なじみ深い |
この特殊な形状により、使用する選手によってはバットコントロールの向上やスイングスピードのアップを感じることがあります。
データ分析から生まれた開発背景
トルピードバットは、感覚や経験則だけでなく、科学的なデータ分析に基づいて開発された点が特徴的です。
その開発のきっかけの一つは、ニューヨーク・ヤンキースの分析部門に所属していたスタッフによる研究とされています。
元ヤンキースの分析担当者であったアーロン・リーンハート氏などが技術開発に関与したと言われています。



どうしてこんな形のバットができたの?



選手のパフォーマンス向上のため、科学的なアプローチから生まれたバットなんです
ヤンキースのアンソニー・ボルピー選手などが、この分析結果を基にビクタス社などのバットメーカーに製造を依頼したことが、トルピードバット登場の始まりの一つです。
使用されている素材と基本的な構造
トルピードバットは、その特殊な形状にも関わらず、使用されている素材は従来のMLB公認バットと同様の木材です。
メジャーリーグのルールでは、バットは一本の木材から作られた木製バットであることが定められており、トルピードバットもこの規定を遵守しています。



特別な素材を使ってるのかな?



基本的には従来のバットと同じ木材ですが、形状による構造の違いがポイントです
構造的には、グリップ、テーパー(グリップからバレルへの移行部分)、そして極端に太いバレル部分で構成されています。
素材自体は特別ではありませんが、その独特な形状によって、従来のバットとは異なる打感や性能を生み出すことを意図して設計されているのです。
なぜ注目?トルピードバットの性能と特徴を深掘り
メジャーリーグで話題を集めるトルピードバット(魚雷バット)。
そのユニークな形状だけでなく、性能面での特徴が多くの関心を集めています。
ここでは、手元重心設計のメリットから、スイングや打球への影響、そして考えられるデメリットまで、性能と特徴を詳しく見ていきましょう。
手元重心設計がもたらすメリット
トルピードバットの最大の特徴の一つが、重心がグリップに近い手元重心設計です。
一般的な木製バットと比較して、重心が手元寄りにあることで、打者はバットをより軽く感じ、操作性が向上すると言われています。
実際に、アンソニー・ボルピー選手やコディ・ベリンジャー選手といった使用者は、「バットが軽く感じられて振り抜きやすい」といった点をメリットとして挙げています。
バットコントロールがしやすくなるため、特にインサイドアウトのスイングを意識する選手にとっては、有利に働く可能性があります。



重心が手元にあると、具体的にどういう利点があるの



バットコントロールがしやすくなる、という声が多いですね
この操作性の高さが、トルピードバットが注目される大きな理由と言えるでしょう。
スイングや打球への影響は本当にあるのか
手元重心設計や太いバレル形状から、スイングスピードの向上や打球速度・飛距離への好影響が期待されています。
実際に、2025年シーズン開幕当初、トルピードバットを使用し始めたニューヨーク・ヤンキースは、チームとして開幕4試合でメジャー新記録となる18本塁打を放ち、その効果が注目されました。
しかし、バットの形状変更が直接的に飛距離アップにつながるかについては、まだ明確なデータが確立されていません。
ヤンキースのアーロン・ブーン監督も、バットの影響は限定的という見解を示しています。
また、ロサンゼルス・ドジャースのマックス・マンシー選手は、トルピードバットを試合で試したものの、重要な場面では従来のバットに持ち替えて同点打を放ったという事例もあります。
現時点では、トルピードバットがスイングや打球に与える影響は、選手の技術レベルや感覚、使い方によって異なると考えられます。
芯(スイートスポット)は広く感じるのか
トルピードバットは、ボールを捉える芯(スイートスポット)が広く感じられる、という声が多く聞かれます。
スイートスポットとは、バットの中で最も反発力が高く、打球に効率よく力を伝えられる部分のことです。
このバットの形状は、バレル部分(ボールを打つ部分)がグリップ近くまで太くなっているのが特徴です。
物理的に芯の面積が劇的に広がるわけではありませんが、バレル全体が太く見えることで、打者は「芯で捉えやすい」「ミスショットが減る」という感覚を得やすいのかもしれません。



見た目が太いけど、本当に芯が広いのかな



使用者からは、芯が広く感じて安心感がある、といった声が実際に挙がっていますよ
使用者であるボルピー選手やベリンジャー選手も、この「芯の広さ」を利点として挙げており、打席での精神的な安心感にもつながっていると考えられます。
考えられるデメリットや使用上の注意点
多くのメリットが語られる一方で、トルピードバットにはデメリットや注意すべき点も存在します。
まず、従来のバットとは重心の位置や形状が大きく異なるため、すべての打者にすぐに馴染むとは限りません。
慣れるまでには一定の練習期間が必要になるでしょう。
打感の違いに戸惑う選手もいるかもしれません。
また、前述の通り、飛距離が明確に伸びるという保証はなく、過度な期待は禁物です。
ヤンキースの主砲アーロン・ジャッジ選手のように、実績のある選手の中には、使い慣れた従来型のバットから変更する必要性を感じていないケースもあります。
マンシー選手の例のように、試合の状況や投手との相性によって、トルピードバットが最適とは限らない場面も想定されます。
デメリット・注意点の例 | 詳細 |
---|---|
慣れが必要 | 従来のバットとの重心・形状の違い |
打感の違い | 選手によっては好みが分かれる可能性 |
効果の不確実性 | 飛距離などへの明確なデータは確立されていない |
万能ではない | 全ての選手・状況に適するわけではない |
トルピードバットは、あくまで選択肢の一つであり、自分に合うかどうかを試した上で導入を検討する必要があると言えます。
メジャーリーグ(MLB)のルールとトルピードバットの規定


その独特な形状から、「トルピードバット」は本当にルール上問題ないのか、疑問に思う方もいるかもしれません。
しかし、このバットはメジャーリーグ機構(MLB)が定める公式ルールに適合していると認められています。
MLB公認バットとして認められる基準
メジャーリーグの試合で使用できるバットには、厳格な基準が設けられています。
まず、素材は木製バットでなければならず、過去に使用されていた金属バットなどの使用は認められていません。
さらに、一本の木材から作られた一体型(ワンピース)である必要があり、複数のパーツを組み合わせたバットは使用不可となります。



特殊な形のバットだけど、ルールは大丈夫なの?



はい、見た目は特徴的ですが、定められた基準を満たしているので公式戦で使えるんです
これらの基準を満たし、MLBの検査をクリアしたバットのみが、公式戦での使用を公認されるのです。
サイズや重さに関する具体的なルール
MLBの公式ルールでは、バットのサイズにも明確な規定があります。
具体的には、バットの最も太い部分の直径が2.61インチ(約6.6cm)以下、そして長さが42インチ(約106.7cm)以下でなければなりません。
トルピードバットも、この規定の範囲内で製造されています。
一方で、バットの重さに関しては、特に上限や下限は定められていません。
項目 | MLB規定 | トルピードバット |
---|---|---|
素材 | 木製(一体型) | 適合 |
直径 | 2.61インチ (約6.6cm) 以下 | 適合 |
長さ | 42インチ (約106.7cm) 以下 | 適合 |
重さ | 規定なし | 規定なし |
この表からも分かる通り、トルピードバットは形状こそ独特ですが、サイズや素材の規定は遵守しています。
不正改造や違反ではない理由
トルピードバットがMLBのルールに違反しない理由は、規定された素材(木製)を使用し、規定内の寸法(直径2.61インチ以下、長さ42インチ以下)で製造されているためです。
一部で懸念されるような、バット内部にコルクを詰めたり、先端に不正な加工を施したりといった不正改造は一切行われていません。
あくまで、ルール内で認められた設計上の革新なのです。
メジャーリーグ機構も、このトルピードバットが規則に適合していることを公式に確認しています。
したがって、選手がトルピードバットを使用することは、何らルール違反にはあたりません。
過去のバットに関する違反事例との比較
野球の歴史においては、残念ながらバットに関するルール違反が問題となったケースも存在します。
例えば、1987年のビリー・ハッチャー選手や2003年のサミー・ソーサ選手が、バット内部にコルクを詰めて打球の飛距離を伸ばそうとした「コルクバット」事件は有名です。
また、規定以上の太さや、認められていない素材(金属片を埋め込むなど)を使用したバットで処分を受けた選手も過去にいました。
これらの違反は不正改造にあたります。
比較項目 | トルピードバット | 過去の違反バット(例: コルクバット) |
---|---|---|
素材 | 木製(規定通り) | 木製だが内部に異物(コルク)を充填 |
構造 | 一体型(規定通り) | 意図的な改造 |
サイズ | 規定内 | 規定内の場合もあるが、改造が問題 |
MLBの公認 | 公認済み | 未公認・違反 |
違反の性質 | ルール適合 | 意図的なルール破り・不正改造 |
これらの過去の事例は、飛距離を不正に伸ばしたり、打撃を有利にしたりするための意図的なルール破り(不正改造)でした。
一方、トルピードバットはルールで認められた範囲内での形状や重心バランスの工夫であり、不正改造とは全く性質が異なります。
ルール違反が発覚した場合、選手には罰則として罰金や出場停止などの厳しい処分が科されますが、トルピードバットの使用にはそうした心配はありません。
トルピードバットを使用する選手と実際の効果
メジャーリーグで話題となっているトルピードバットですが、実際に使用している選手やその効果に対する評価は一様ではありません。
一部の選手がその特殊な形状に可能性を感じて採用する一方で、従来型のバットを使い続ける選手や、試した結果、使用を継続しない選手もいます。
ここでは、代表的な使用選手、評価、そして万能ではない側面について解説します。
選手名 | 主な所属チーム (使用当時/直近) | 使用状況/評価 |
---|---|---|
アンソニー・ボルピー | ニューヨーク・ヤンキース | 代表的な使用者。バレルや芯の広さ、軽さに利点を感じる |
コディ・ベリンジャー | シカゴ・カブス | 主な使用者の一人。ボルピーと同様の利点を評価 |
ポール・ゴールドシュミット | セントルイス・カージナルス | 主な使用者の一人 |
マックス・マンシー | ロサンゼルス・ドジャース | 試合で試用するも、勝負所で通常バットに戻した経験あり |
アーロン・ジャッジ | ニューヨーク・ヤンキース | 試用せず。従来のバットに満足 |
大谷翔平 | ロサンゼルス・ドジャース | 試用せず。今のバットに十分満足 |
この特殊なバットを選ぶ主なメジャーリーガーたち
このトルピードバット、つまり魚雷バットを積極的に試合で使うメジャーリーガーが増えつつあります。
その代表格が、ニューヨーク・ヤンキースの若きスター、アンソニー・ボルピー選手です。
彼は、ヤンキースの分析部門に所属していたスタッフの提案に基づき、バットメーカーのビクタス社にこの形状の木製バット製造を依頼したと報じられています。



どんな選手が使ってるんだろう



若手からベテランまで、注目選手が試していますよ
その他にも、シカゴ・カブスのコディ・ベリンジャー選手、セントルイス・カージナルスのポール・ゴールドシュミット選手といった実績ある打者も使用者として名前が挙がっています。
選手名 | 主な所属チーム (使用当時/直近) | ポジション/特記事項 |
---|---|---|
アンソニー・ボルピー | ニューヨーク・ヤンキース | 遊撃手、トルピードバット導入のきっかけ |
コディ・ベリンジャー | シカゴ・カブス | 外野手、MVP受賞経験あり |
ポール・ゴールドシュミット | セントルイス・カージナルス | 一塁手、MVP受賞経験あり |
オースティン・ウェルズ | ニューヨーク・ヤンキース | 捕手 |
ジャズ・チザムJr. | マイアミ・マーリンズ | 内野手/外野手 |
これらスター選手の選択は、他のメジャーリーグの選手にも影響を与え、トルピードバットという新しい道具への関心を高める大きな要因となっています。
日本人選手における使用状況
2024年シーズンが開幕してしばらく経ちますが、メジャーリーグで活躍する日本人選手が公式戦でトルピードバットを使用しているという具体的な情報は、現時点では確認されていません。
ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手やシカゴ・カブスの鈴木誠也選手をはじめ、多くの日本人選手は、自身に最もフィットする従来の形状や重さの木製バットを選択し、プレーしています。



日本人選手も使ってるのかな



今のところ、目立った使用例はないようです
野球用具に対するこだわりが強いとされる日本人選手が、今後この特殊なバットを自身の打撃に取り入れるかどうかは、引き続き注目していく必要があるでしょう。
選手によって異なる評価や使用感
トルピードバットに対する評価や使用感は、選手個人の感覚によって大きく異なります。
アンソニー・ボルピー選手やコディ・ベリンジャー選手のように、このバットを積極的に使用する選手たちは、いくつかの利点を挙げています。
具体的には、「バレル部分(ボールを打つ箇所)が大きいことによる安心感」「重心が手元寄りにあるための振り抜きやすさ」「芯(スイートスポット)が広く感じられる」といった打撃面でのメリットです。
中には、精神的な支えになっていると感じる選手もいます。



みんなが良いって言ってるわけじゃないんだ



そうなんです、合う合わないがあるようですね
一方で、すべての選手がこのバットを高く評価しているわけではありません。
バットのフィーリングは非常に個人的な感覚に左右されるため、トルピードバットが合う選手もいれば、合わない選手もいるのが実情といえます。
必ずしも万能ではない?使用を続けない選手の例
トルピードバットは、決して全ての打者にとって最適となるわけではありません。
その証拠に、メジャーリーグ屈指のホームランバッターであるニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手は、長年使い慣れた従来型のバットに満足しており、トルピードバットを試す考えはないと明言しています。
彼のようなトップ選手にとっては、実績のあるバットへの信頼が最も重要なのでしょう。
選手名 | 所属チーム | 状況 |
---|---|---|
アーロン・ジャッジ | ニューヨーク・ヤンキース | 従来型バットに満足し、トルピードバットを使用せず |
マックス・マンシー | ロサンゼルス・ドジャース | 試合で試用後、勝負所で通常バットに変更し結果を出す |
さらに、ロサンゼルス・ドジャースのマックス・マンシー選手は、2025年4月2日(日本時間3日)のアトランタ・ブレーブス戦で実際にトルピードバットを打席で使用しました。
しかし、最初の3打席では結果が出ず、迎えた8回の同点のチャンスでは、使い慣れた通常の木製バットに持ち替えて見事に同点タイムリー二塁打を放ちました。
この事実は、必ずしもトルピードバットが常に最良の結果をもたらすわけではない、ということを端的に示しています。
トルピードバットを知ってメジャーリーグ観戦をもっと楽しむ
メジャーリーグで注目を集めるトルピードバット。
この特殊な形状のバットについて知ることで、野球観戦がより一層、奥深くなります。
選手の打撃フォームだけでなく、使用する道具にも目を向けてみましょう。
試合中継でトルピードバットを見分ける方法
トルピードバットを見分ける最も分かりやすいポイントは、その独特な形状です。
ボールを打つ部分(バレル)が、グリップに近い位置で急激に太くなっている点が特徴と言えます。
従来の木製バットと比較すると、トルピードバットは先端(キャップ側)が細く、打者の手元に近いバレル部分が際立って太く見えます。
まるで魚雷(トルピード)のような見た目をしているため、構えやスイング前のアップ映像で確認しやすいでしょう。



中継映像だと一瞬で、見分けるのが難しいな



構えやスイング前のアップ映像に注目すると分かりやすいですよ
打席に入る前の選手の様子や、カメラがバットに寄ったタイミングで、バレルの形状と太さの位置を確認してみてください。
打者がどのバットを使っているかチェックする面白さ
選手がどのバットを選択しているかを知ると、その打者の考えやこだわりが見えてきて興味深いものです。
メジャーリーグでは、新しい技術を取り入れることに積極的な選手もいれば、慣れ親しんだ道具を使い続ける選手も存在します。
例えば、ニューヨーク・ヤンキースのアンソニー・ボルピー選手はトルピードバットを積極的に使用するメジャーリーガーの一人です。
一方で、チームメイトのアーロン・ジャッジ選手のように、実績のある従来型のバットへの信頼が厚く、変更しないトップ選手もいます。
ロサンゼルス・ドジャースのマックス・マンシー選手のように、試合の状況に応じて使い分けるケースも見られます。
選手名 | 主な使用バットタイプ | 理由(推測含む) |
---|---|---|
アンソニー・ボルピー | トルピードバット | 振りやすさ、芯の広さへの期待 |
アーロン・ジャッジ | 従来型バット | 使い慣れたバットへの信頼、実績 |
マックス・マンシー | 併用(状況による) | 新型バットの試用と勝負所での使い分け |
各選手のバット選択の違いに注目することで、メジャーリーグ観戦に新たな視点が加わり、より深くゲームを楽しめるようになります。
今後の野球道具のトレンドを占う可能性
トルピードバットの登場は、単なる一過性の話題に留まらず、今後の野球界における道具開発のトレンドに影響を与えるかもしれません。
このバットがデータ分析に基づいて考案されたという背景は、注目すべき点です。
ヤンキースの分析部門スタッフが関与し、ビクタス社などのメーカーが製造した経緯は、科学的なアプローチが野球用具開発にもたらす可能性を示唆します。
打撃パフォーマンス向上のため、今後さらに多様な形状や素材、重心設計のバットが登場するかもしれません。



このバットが主流になる可能性はあるのかな



今は一部の選手ですが、効果が実証されれば広まるかもしれませんね
トルピードバットの使用状況や選手の評価、そして実際の打撃成績への影響を追っていくことで、未来の野球道具の進化を予測する手掛かりが得られます。
日本プロ野球界への波及はあるのか
メジャーリーグで話題となっているトルピードバットですが、日本のプロ野球(NPB)への影響も気になるところです。
現時点では、NPBでトルピードバットを使用している日本人選手の情報は確認されていません。
MLBとNPBでは、公認されるバットのルールや規定、そして選手や指導者の用具に対する考え方に違いがあります。
一般的に、NPBの方が木製バットの形状や加工に関して、よりトラディショナルな傾向が見られます。
しかし、MLBでトルピードバットの効果が広く認められ、多くの選手が結果を出すようになれば、将来的に日本球界でも試す選手が現れるかもしれません。
リーグ | バットに関する傾向 | トルピードバットの状況(推定) |
---|---|---|
MLB | 新技術・形状の導入に比較的積極的 | 一部の選手が使用、規定内 |
NPB | 伝統的な形状を好む傾向、規定が異なる可能性 | 現時点で使用例は確認されず |
日本のプロ野球ファンにとっても、海の向こうのメジャーリーグで起きているバットに関する新しい動きは、今後の球界の変化を考える上で興味深いテーマとなります。
よくある質問(FAQ)
- トルピードバットの重さやサイズに特別なルールはありますか?
-
いいえ、特別なルールはありません。
メジャーリーグで公認されている他の木製バットと同じ規定(太さ約6.6cm以下、長さ約106.7cm以下)で作られています。
バットの重さの規定は元々存在しません。
- トルピードバットを使うと、ホームランの飛距離は必ず伸びますか?
-
必ず飛距離が伸びるとは言い切れません。
バットの重心が手元にあり振りやすいと感じる選手もいますが、効果は打者や状況によって異なります。
打撃成績への明確な影響は、まだはっきりと分かっていません。
- トルピードバットは、特殊な素材でできているのですか?
-
いいえ、素材は従来のメジャーリーグ公認木製バットと同じものが使われています。
特殊なのは素材ではなく、ボールを打つ部分が太く、グリップに近い形状である点です。
- 日本のプロ野球でも、トルピードバットは使用禁止ではないのですか?
-
日本のプロ野球(NPB)の規定では、現時点でトルピードバットのような特殊な形状のバットが公認されるかは不明確です。
今のところ、日本人選手を含めNPBでの使用例は確認されていません。
- トルピードバットは、過去にあったコルクバットのような不正改造ではないのですか?
-
はい、不正改造にはあたりません。
コルクバットはバット内部に禁止された異物を詰める違反行為です。
しかし、トルピードバットはメジャーリーグのルールで認められた素材とサイズの範囲内で作られた道具であり、形状が特殊なだけで不正な加工は施されていません。
まとめ
この記事では、メジャーリーグ(MLB)で注目を集めているトルピードバット、通称「魚雷バット」について詳しく解説しました。
その独特な形状から性能、ルール上の規定、そして使用選手まで、この特殊なバットに関する疑問を解消します。
野球ファンなら知っておきたい最新情報が満載です。
この記事のポイントは以下の通りです。
この記事のポイント
- トルピードバット(魚雷バット)は、バレルが太く手元重心という独特な形状を持つMLB公認木製バット
- 振りやすさや芯の広さを感じる利点がある一方、効果は選手により異なり万能ではない
- 素材やサイズは規定に適合しており、不正改造や違反ではない
- ボルピー選手などが使用するが、日本人選手の主な使用例は現時点で未確認(2025年4月時点)
このバットの知識を深めることで、メジャーリーグの試合観戦がさらに面白くなります。
選手の道具選びにも注目して、野球の奥深さを感じてみましょう。